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公正を期し、未来が明るい業界にしたい

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公正を期し、未来が明るい業界にしたい

バリスタなどコーヒー業界の方々やさまざまなジャンルで活躍されているクリエイターの方々は、 普段どのようにコーヒーライフを楽しんでいるのでしょうか。Meetsは、業界をリードする人たち やチャレンジし続ける人たちとコーヒーを飲みながら深掘りしていく企画です。 今回はCOYOTE the ordinary shopのヘッドロースターであるBrantさんのインタビュー企画の第三弾です。Brantさんが焙煎を通して得た気づきやコーヒー産業に抱く課題意識についてインタビューしました。第二弾をまだご覧になられていない方は、そちらも合わせてご覧ください!

By KOHII Creator Jongmin

生産者とつながっている感覚

ーーCOYOTEでの仕事を通して得た気づきがあれば教えてください。 Brantさん:COYOTEでは、直輸入しているエルサルバドルのコーヒーのみを扱っています。 ですので、最初は生産国が同じならば、味の傾向も似ているだろうと思いました。しかし カッピングをすると、エルサルバドルの中でもテロワールの違いを感じます。エルサルバドルに集中して、テロワールや精製方法による繊細な味の違いを感じれるのは、楽しいですね。中には同じ地域でも、味わいが大きく違うコーヒーもあって、驚く時もあります。

Brantさん:後は焙煎を通して、生産者の性格を感じる感覚があります。例えばCOYOTEのラインナップにRaulという名前の生産者が作ったコーヒーがあります。彼のコーヒーは焙煎をする時に焼きムラが少ないです。おそらく彼は栽培や精製の仕方に手を抜かないで、とても丁寧な性格の持ち主だと思うんです。 店舗は今年の7月で一周年を迎えました。これから毎年、同じ生産者さんの豆を取り扱う中で、その年ならではの味の変化を感じていけそうで、楽しみにしています。

ーーコーヒーを通して、生産者とつながっている感覚になるんですね。 Brantさん:そうですね。お客様には「あのバリスタが淹れてくれるコーヒーだからこそ、いつものコーヒーよりもなおさら美味しい」という感覚があると思うんです。それは全く根拠のない話でもなく、コーヒーは嗜好品なので、情緒的な部分は味に影響すると思います。だから、コーヒーから人間味が感じられることは重要だと思います。

Brantさん:ロースターにとっても近い感覚があって、先入観を持たずコーヒーをカッピングするという前提に、生産者が見えるコーヒーは美味しく感じます。また応援したい気持ちにもなります。あたりまえに美味しいコーヒーはなくて、生産者の多大な努力の賜物だとロースターとして実感するからこそ、生産者が持つストーリーも消費者のみなさんにも伝えたいです。

より良いコーヒー業界にするために

ーーコーヒー産業における問題意識があれば教えてください。 Brantさん:コーヒー産業は、まだまだ不平等な構造の中に成り立っています。情報としては広がっているけど、その問題に直面する瞬間は少ないので、中々、自分事に考えることが難しいです。「生産者の努力があるからこそ、美味しいコーヒーが飲める」ということは当然のことで、だから生産者を中心にした産業構造に変化していく必要があります。

Brantさん:生産者のストーリーを届けるということは、目の前のコーヒーがなぜ美味しいのかをプレゼンすることでもあります。コマーシャルコーヒーよりも、適切な価格設定をしているスペシャルティコーヒーは、消費者にとって最初は高く感じられるかもしれません。だから美味しいコーヒーを飲んで、目の前の美味しいコーヒーをつくるためには、生産者の多大な努力が必要であることを伝えて、はじめて消費者に価格に見合った体験をしてもらえると思います。

Brantさん:他にもよく議論される問題として、業界雇用におけるジェンダーの不平等があります。バリスタもロースターは男性が多い一方で生産地のハンドピッカーには女性が多いですね。問題の背景が複雑なので、すぐに解決できる問題ではないと思います。このように最初からSocial Justice(社会的公正)の意識をSocial Movement(社会運動)、行動が起きるレベルまでに引き上げるのは、まだ現実的に難しいです。しかし、問題を問題として認識している時点で、発展性の高い業界だと実感します。 消費国で、ロースターはコーヒーのサプライチェーンにおいて、最も生産者に近い位置です。私自身も一人のロースターとして、コーヒー産業・業界が抱える問題を意識して、少しずつ行動していきたいと思います。

ーー今後のビジョンや目標があれば教えてください。 Brantさん:COYOTEとしては、エルサルバドルの魅力をより発信していきたいですね。日本で中南米はなんとなく治安が悪いというイメージで広がっています。エルサルバドルも長い内戦の歴史があり、自然災害の被害も受けた国です。

Photo by esau-gonzalez on unsplash

しかし、それらのニュースに隠れた魅力的な文化が多くあります。エルサルバドルは、食文化やインディゴ(藍)が有名ですね。あとカカオの生産量も多いです。最近、面白いニュースとして、エルサルバドルでは、昨年、ビットコインが世界で初めて法定外貨として採用されたんです。 内戦や自然災害の傷を乗り越えて、今はとても革新的で、発展する可能性が高い国です。

Brantさん:個人的には、もしアメリカに帰国することになれば、アメリカでCOYOTEのコーヒーを広げたいです。エルサルバドルからの物理的な距離も日本よりアメリカが近いので、現地の新鮮な豆を早く手にできると思います。また、アメリカ在住のエルサルバドル人と協力すると、現地の方と厚いネットワークを築きたいです。将来的には日本、アメリカ、エルサルバドルと海を越えたグローバルなコミュニティを通して、コーヒー産業・業界をよりよくしていきたいです。

< Brant >

< COYOTE the ordinary shop >

A cup of KOHII with Love (執筆・撮影:Jongmin)

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