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気候変動によるコーヒー生産が深刻化。ブラジルではロブスタ種への生産へシフトする傾向に

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気候変動によるコーヒー生産が深刻化。ブラジルではロブスタ種への生産へシフトする傾向に

温暖化による気候変動がコーヒー産業に影響を与えていることは言うまでもありません。現にコーヒーベルトに位置するブラジルやベトナム、コロンビアといったコーヒーの一大生産地ではコーヒーノキの生産が厳しくなっています。そのようななか耐久性があり、他の品種よりも低緯度で生産できるロブスタ種の可能性が注目されています。 気候変動によってコーヒー農家は打撃を受けているといえども、コロンビアではカスティージョと呼ばれるアラビカ種とロブスタ種の混合種コーヒーノキの生産が始まるなど、以前から回避策が講じられていました。しかし、その一方でブラジルの多くのコーヒー農家ではロブスタ種の栽培に転向することで気候変動の影響から逃れようとしています。 ロブスタ種の栽培に転向する農家が増えている理由は、温かな気候で育ちやすく、栽培も量産もしやすい品種だから。ロブスタ種はカフェイン量も多く、たくさんの実をつけます。きめ細やかな生産管理が必要なアラビカ種と違って量産も比較的簡単にできる、品質よりも生産量で優れた品種だと考えられています。その反面、一般的にロブスタ種はアラビカ種よりも品質が劣っていると思われていることから、販売価格は大幅に下がるのが現状です。 ブラジルの多くのコーヒー農家ではロブスタ種の生産にあたり、質より量を重視しています。ブラジル農業研究公社のコーヒー豆栽培研究員のEnrique Alves氏は「同じ技術レベルでも、ロブスタならほぼ倍量のコーヒー豆を生産できる」と述べています。品種改良や科学技術の発展に伴い大量生産できるようになったロブスタ種がアラビカ種に取って代わるなかで、アラビカ種のシェアは全世界の70%の生産量から60%へ低下するほど徐々に低くなりつつあります。 ロイターによるとブラジルでのロブスタ種の生産量が増えている一方で、ロブスタ種の輸出量が世界一のベトナムでの生産量は減っており、ベトナムを追い越す勢いでブラジルが頭角を現し始めていると言えるでしょう。ロイターによると過去3シーズンでブラジルのロブスタ出荷量は20%増の、2020万袋(1麻袋あたり60kg)と大きく増加しています。 干ばつや寒波による霜害、台風などの予測できない気候変動によって繊細な生産管理が必要なアラビカ種の生産が厳しくなり、そのようななかでブラジル生まれのロブスタ種が人々の日々のコーヒー消費の一部を担い始めるのは当然の流れだと予測されます。 気候変動をめぐるコーヒー産業の変化によって、華やかで甘く繊細な味のアラビカ種が飲めなくなり、ロブスタ種が市場に出回ることを危惧する必要があるとは限りません。これまでアラビカ種に比べて質が劣っていたのは、主に栽培環境などが原因。スペシャルティグレードの環境でアラビカ種と同じように生産されたロブスタ種は、アラビカ種と同様に優れた風味を持つものもあることがわかっています。Enrique氏はロブスタがあるからこそ「毎日飲むコーヒーがなくなる心配はない」と述べています。 2021年11月上旬に開催されたCOP26では各国の気候変動対策が決まりました。気候変動によって2050年に生産できなくなる可能性のある食糧や飲料があり、それに伴って食生活も変わるはずです。ですが科学技術は刷新されつつあります。今後はアラビカ種に取って代わる品種や、ロブスタ種の品種改良によって質の良いものが生産されるでしょう。優秀なロブスタ種の生産に最新の科学技術がどう応用されるのかチェックしたいです。

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Noah’s Ark Coffee
Noah’s Ark Coffee WCRの予想では、2050年にはアラビカ種の栽培面積が半減すると言われています。ロブスタでその半減分を補えるor補おうとしているんでしょうか?