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表現としてのコーヒー

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表現としてのコーヒー

K:小坂田さんにとってバリスタはどんな仕事ですか? Y:伝えるという責務のある仕事です。バリスタが伝えないと、そこまで携わっていた人のストーリーが伝えられずに終わってしまう。バリスタはお客さんへの最後の架け橋だと言われたりしますが、本当にそうだなと思います。バリスタはカウンター商売でもあるので、自分で作って自分で伝えられる。そういうチャンスがあるのに伝えないのはもったいないです。 K:スペシャルティコーヒーはどんな存在ですか? Y:飲むのではなく、味わうものです。自販機で買ったコーヒーは飲むだけですが、バリスタが淹れるコーヒーは、どんな空間で、ホスピタリティで、何を伝えて飲んでもらうかで80点のコーヒーを100点、120点にまでも持ち上げる事ができます。点数が上がるコーヒーって、ただ飲むのではなくて、一杯から物語を感じて味わってもらえるものだと思います。

“人間性をつくる、下積みの時間”

K:若い世代には何を伝えたいですか? Y:今、下積みは非効率的だと言われつつありますが、下積みは大事だと思います。技術を磨くための期間というより、社会人としての人間性を構築するための期間だと思うんです。 お店に入って、2ヶ月でコーヒー淹れられるようになって「バリスタです。」と名乗る人もいますが、何かが伴っていないことが多いのも事実です。10年積めというわけではないですが、人間性をつくる期間として、自分と向き合い、考えるための期間だったので、大切だよと伝えたいです。自分と向き合った結果、その表現としての一杯になるので。

“業界の10年後のために”

K:小坂田さんが学校で講師を始められたきっかけは何ですか? Y:講師をしたくなったのは、カルチャーの底上げには、作り手の底上げが必要だと思ったからです。バリスタへのセミナー等もやっていますが、もっと先のことを考えた時に教育は大事だなと思ったんです。今20歳くらいの子達に、僕が培ってきた技術と知識を教えたら、その子達が僕の年になった時には僕を超えられていると思います。それは業界にとってもマーケットにとっても良いことです。あと10年経ったら業界が変わっていることを願って、教えています。

“表現者に対してのマーケットの確立”

K:今後のチャレンジや夢はありますか? Y:ちゃんと、美味しいものが美味しいと価値をつけられる社会にしたいです。絵画でも写真でもなんでもそうなんですが、いいものって価値がつくじゃないですか。その価値をつけられる人が多くなってくれたらいいなと思います。例えば、海外では価値が認められて5万円の値段がついている写真が、日本にきたら3000円になっちゃうって、表現者たちに対してのマーケットが確立されていないということですよね。コーヒーも似ていると思います。そのマーケットが確立されれば、バリスタという職業もちゃんと市民権を得て、一飲食店員ではなくバリスタという職業として確立される。レストランでいうソムリエのような。そういう役職としても認めてもらいたい。そうするためにはまず作り手たちが、社会に対して伝える、発信するということを続けないといけないと思います。 K:小坂田さんの原動力ってなんですか? Y:単純に、自分がいいと思ったものを世の中に認めてほしいと思っています。自分が音楽やっていたら、音楽を通して同じことをやっていると思います。腰掛けの仕事を一番したくないので、アウトプットをちゃんと持とうと心がけています。

あとがき

スペシャルティコーヒー業界に対して、明確な考えと目標を持つ小坂田さん。取材中、その一貫した思いがヒシヒシと伝わってきて、こっちまで気持ちが熱くなる程でした。KOHIIチームも、スペシャルティコーヒー業界を盛り上げるために熱量を持って、考えて、行動していきたいと思います。小坂田さん、ありがとうございました!

<プロフィール>

小坂田祐哉 Raw Sugar Coffee Roasters/コーヒートレーナー/バリスタ/焙煎士 北海道出身。音楽業界からバリスタに転身し、バリスタ世界チャンピオンの専門店「Paul Bassett」のバリスタとして活躍後、GLITCH COFFEE ROSTERSの立ち上げメンバーになる。現在はRaw Sugar Coffee Roastersの一員としてスペシャルティコーヒの普及とバリスタの技術向上に取り組む。


<Raw Sugar Coffee Roasters>

<WR.>

東京都目黒区3-5-7 MT357-1F

A cup of KOHII with Love (執筆・編集:Saori, Shimakou)

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