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“ Make it easy ” 簡単なことから少しずつ

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“ Make it easy ” 簡単なことから少しずつ

まえがき

コーヒー豆も元は一つの植物の実。大自然に恵まれる私たちはそれを育て、収穫し、 また職人の手で丁寧に焙煎、挽いて抽出し、美味しい一杯のコーヒーとして頂いている。 この至福を噛みしむたびに、ますます深刻になっている地球温暖化が、異常気象、農園生産から日常の食生活、消費文化まで迫っている中、コーヒーのこれからのことを自分に問い続けています。 KOHII x Sustainabilityでは、環境問題と真剣に向き合うため、オリジナルなコンセプト、独特な分野を創り出し、活躍している人たちと語り合います。コーヒー時間で彼らの活動からインスピレーション及びエネルギーを吸収しながら、コーヒーの将来的な可能性を新しい視点から見つめます。

第一弾のゲストは、 ゴミとして捨てられてしまうコーヒー豆のカスを回収し、再利用できるよう 活動されているブルームゲイリー・順子ご夫妻にインタビュー。 幼稚園生の娘さんと、家族揃ってお越しくださいました。

「mame-eco」 ブルーム ゲーリー様・順子様 @KurasuEbisugawa

きっかけはひと月4キロ

ーーなぜ、この活動を始めたのでしょうか? ゴミの削減に関してはずっと考えていました。その中でコーヒー豆のカスに着目したのはこの4年くらい。年々考えることが増えるようになりました。夫婦揃ってコーヒー好きで、毎日欠かさず飲んでいたコーヒー。捨てずに毎日出るコーヒーカスを溜めていたら、我が家だけでもひと月4キロくらいのカスが出ていることがわかりました。 自宅が賃貸なので自分たちでコンポストするわけにもいかず、捨てる以外に何も出来ないことに、その量を見て漠然と不安になりました。毎日、ただゴミとして捨てているコーヒーカスを、周りの人たちの為に何が出来るのか、深く考えるようになったのが活動のきっかけです。

偶然の出会いが大きな活動へ

ーーこれまでの道のりはどんなものでしたか? 肥料に使えないかと考えたものの、農家に知り合いがいない為、昨年の2月に「ジモティー」という掲示板に「コーヒーカスいりませんか?無料でお譲りします。」という内容の広告を載せました。 初めは何も反応がなく、難しいかなと思っていた3〜4ヶ月経った頃、ある農家の方からコーヒーカスが欲しいとお声がかかり、要望された量は20キロ。 メールが来たときは嬉しさ反面、その量の多さにどうしようとパニックになりました。さっそく翌日から、近所の喫茶店やカフェをまわってカスを集めていきました。 最終的に25キロのコーヒーカスを集めるのに約一ヶ月かかったのですが、現在は、2週間で一度に250キロもの量を農家の方に譲ることが出来ています。たまたま今回要望を頂いた、亀岡の農家の方が所有している畑が多く、広大な休耕地の土壌改良をする為に大量のコーヒーカスを必要とされていたということで、継続的なお取引になりました。 その他にも滋賀県でオーガニック野菜を作っているアメリカ人が同じような理由でコーヒーカスを取りに来てくれましたが、これだけでは私たちの目指しているSustainabilityにはまだまだ足りないと感じています。

繋がりがまた繋がりを生んでいく

ーーそのほかに最近はどんな活動をされていますか? 近所の地ビール工場に出向き、廃棄している麦芽のカスを農家の方に提案させてもらったら、欲しいと言って頂けて最近ではコーヒーカスの他に麦芽も集めて納めました。農家の方も、ビール工場の方も喜んでくれています。お金のやり取りは一切なく、“人との繋がりだけ” 。 カフェの方々からもらう「ありがとう」の言葉、自分たちのしていることが農家の方々のおかげで、様々なものに変化していくのを見られるのがとても嬉しく、やり甲斐を感じています。やっていてよかった、これからもやっていこうと思える、お金ではない人との繋がりをコロナ以前よりも深く感じられています。“最初は主人のサポートで始めたこの活動のお陰で、母や妻としてだけではない、自分個人と社会との繋がりを作る大きなきっかけになったことを主人には感謝しています。”と奥様。側から見たら、良いことしているこの活動もそれをすることで、自分たち自身も精神的に救われています。

ヒントは揚げ油

ーーなぜコーヒーカスなんでしょうか? 他の生ゴミと比べて、長時間放置していても臭いや虫の問題にならない。 家で2週間置いていおても臭いもしにくいんです。コーヒーカスは見た目は黒いけれど、決して汚くない、地域で回収している揚げ油に比べたら、コーヒーカスはもっと簡単に集められるだろうと感じたからです。

無駄なものがない

ーー肥料以外の使用方法は考えていますか? 娘が通う幼稚園に猫よけとして使ってもらっています。 子供たちもコーヒーの匂いがする!と言って喜んでいる、小さいうちからコーヒーラバーになるかも(笑) そのほかに、自治体が運営しているカフェに回収箱をおいたところ反響があり、自治会の会長さんなどからお褒めの言葉と共に、近くの小学校などで堆肥化させて使いたいという素敵なお話をいただきました。 コーヒーのカスが土となって、また植物を育ててくれるということを子供のうちから知ってもらうことはとても良いことだと思うんです。このように回収だけではなく、お分けすることもしていることを考えています。また、今はカスだけでなく、焙煎したときに出るチャフの利用法も考えています。 調べてみたらイギリスやアメリカではニワトリの寝床に使用していることがわかりました。ドライのチャフは鶏の寝床に、ウェットなチャフは土と混ぜてもらって堆肥化させて使ってもらっています。寝床として糞が付いて汚れてしまったものも最後回収してそれがまた堆肥になる。本当に無駄がないので嬉しい。ペーパーフィルターも落ち葉や新聞紙の代わりにコンポストになっていい土を作ってくれるミミズにもとても良い効果を生み出しているんです。

Make it easy 簡単が一番

ーー今後の活動に関して教えてください。 コーヒーカスの可能性はまだまだあると思う。もっと色んなことをしたい、試してみるための広い土地が欲しいです。いつか、ゴミとして捨てることが心苦しくなるような、回収したり使う人がいるんだということを当たり前に思うような世の中にしていきたいです。 まずは、それをを京都の当たり前にして「えー!捨てちゃってるの?勿体無い!」と他府県の人に言えるようになるのが目標。そうしたらもう少し、日本のゴミ削減につながるのではないかと思います。コーヒーカスはゴミではなく、資源を当たり前にしていきたい。 私たちの活動をビジネスにしたいわけでも、誰かに褒めてもらいたいのでもありません。こういう世の中に変えていきたいという活動であって、たくさんの人に知って真似してもらいたいです。あるカフェのマスターが、自宅で出たコーヒーのカスを店頭で回収しているという記事をインスタグラム上で告知してくれて、その気持ちが嬉しい、私たちだけじゃない、少しづつ仲間が増えていることを日々実感しています。自宅の前にもリサイクルボックスを置いているんです。 人々の気持ちを動かすことは簡単ではないかもしれないけれど、簡単に始められれば参加してくれる人が増えるんじゃないかと思います。なので、コーヒーカスの回収の際も、ペーパーと分けなくていいと伝えているし、初めの頃敷いていたビニールももったいないからとやめました。そうやって、協力して下さっているカフェの方々の手間を省けるように、段々シンプルになるよう努めました。

今までゴミ箱に入れていたのを、いれる箱を変えてもらうだけ。 始めやすいエコからスタートすれば、続けてもらえるし、それがサスティナブルな活動になります。難しかったら誰も続けられない。 “Make It easy for me, for us, for everybody” 簡単が何より。私たちも最初はバイオフィール(バイオ燃料)など、難しいことばかり考えていたけれど、結局一番簡単なことから始めてみたら、色々な人がそれをどんどん膨らませて広げていってくれました。とにかく、一番最初の簡単なことからやっていけば、徐々に見えて来るものがあるんじゃないかと考えています。とにかく、簡単に続けやすいがこの活動、私たちの考えの根底にあります。

コーヒーストーリーを繋げた先に

ーー今のコーヒーブームをどう考えますか コーヒーは美味しいだけじゃない。 コーヒーには様々な素敵なことが詰まっていると思うんです。 例えば “ my coffee time = relax time / community / self expression” 色んなストーリー入っている。一杯のコーヒーができるまでの始まりの農家の人たちのことを考えて、最後の農家さんのことも考えたい。コーヒーカップが空っぽになったらそれで終わりではなく、次の一歩、物語ができればもっと楽しいのではないかと思う。 そう言って、ある図を見せてくれました。(娘さんの画用紙を拝借したよう) それは、コーヒー豆が栽培されてから、私たちの手元に渡り、一杯の美味しいコーヒーになったその先を描いてくれていました。 まさに今日話して頂いたお二人の活動が一つの円になって、私たちKOHIIが思い描く、コーヒーと人とを繋げたSustainabilityそのものでした。 ここで終わりじゃない、という可能性の面白さ。 カフェの人たちは売る責任、私たちには飲む責任がある。売ること、飲むことで生まれるゴミをゴミとして終わらせないという考え方を活動の中で学ばされました。なんでも深く知ることで自分の中のアングルが変わり、コーヒーを飲んだ後のことを前々から考えていたのもあったので、活動によって繋がった皆さんのお陰でそこで生まれるストーリーの存在に気づくことができ以前よりもコーヒーが楽しくなりました。これを一つのサイクルにしていけるように今後も活動していきたい。

あとがき

常に素敵な笑顔でお話して下さり、終始和やかな雰囲気で進んだインタビュー。 今回お話を伺い、KOHIIがテーマとして掲げている「コーヒーと人との繋がり」をまさに体現されていると感じました。なんとなく飲むで終わらせず、美味しいのその先を考える、それは情報を発信していく私たちの責任なのかもしれません。時間はかかるかもしれませんが、誰かが始めていかなければ何も始まらない。 “考えるのは楽しいから”そうおっしゃったお二人の言葉をお手本に、これからもKOHIIとして未来の為に出来ることを少しづつ、まずは“ Make it easy ”から考え続けていきたいと感じました。これからも、mame-ecoさんの活動を追い続け、KOHIIとしても何か一緒に出来ることがないか考えていきたいと思っています。 皆さんも一緒に考えて頂けますか?続編もお楽しみに!

mame-eco

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