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Vol.15 KOHII香る本の街

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Vol.15 KOHII香る本の街

ちょっとコーヒー巡りをしませんか?行き交う人々、流れていく時間を見て感じながら、飲むコーヒーが絶妙に美味しいと思う僕たちは、いつもコーヒーで繋がる街を歩くKOHII Walkersです。気の向くまま、コーヒーのアロマに溢れる街、それぞれコーヒーを楽しむ人々との出会いを独自の目線で写真ストーリーに記録し、ここでシェアします。 こうして同じ写真でコーヒー、ヒト、マチの関連性を描く人と繋がりたい、日本各地のKOHII仲間と一緒にコーヒーの魅力を広げていきたいです。 Shimakou, KOHII Walker@Tokyo

最近知った寿司屋の大将が言ったあるフレーズがいつも頭の中を駆け巡っている。 「近頃の若者は寿司屋に来ても、スマートフォンとやらを触ってばかりで会話の1つもしないね〜。」 僕自身も、大将の言う近頃の若者に該当するが、その時ばかりはスマホのことを忘れ、ひたすら大将とアートという分野の魅力について語り合っていた。 そのフレーズを聞いた時、その状況が脳裏に浮かんだ。 座って大将と話している自分と、翌日の寿司屋でスマホを触っている若者を、まるで幽体離脱をしたかのように眺めている自分。 ふと我に返った時、自分自身の心にぐさっと刺さる何かを感じた。 その日から、必要な時にしかスマホは触らないようにしている。それは僕自身を疲れ果てさせる膨大な情報量からの逃避と、自分自身というものの原点をもう一度見つめ直すという2つの理由からだ。 今回は、神奈川にいるKOHIIのメンバーの1人に会う予定だ。 少々の緊張と大きな期待を胸に、カメラを持ち向かうは東京・本の街「神保町」。

@GLITCH COFFEE&ROASTERS

東京に来て早くも2年が経つが、神保町に来たのはこの日が初めて。 東京の感染者数は1日平均40人程度まで減少し、外に出る気持ちが少し楽になった。 メンバーと合流し、神保町の街を歩く。 神保町には、サラリーマンが多い印象を受けた。1本路地に入ると昭和レトロを感じる道やお店がたくさんあり、とてもワクワクしながら足を進める。 駅から徒歩10分程度の場所にGLITCH COFFEE & ROASTERSさんはあった。 平日にも関わらず、店内はかなり混んでおり、若い方が多かった。 注文の列に並び、自分たちの番になるまで待った。 注文を受けるまでの間、僕たちは様々なお話をした。仕事のことからプライベートまで。流れてくるコーヒーの香りや、バリスタの方がドリップをしている風景を眺めるあの時間が僕はとても好きだ。 いざ、僕たちに順番が回ってきた時、何を注文するのか決めていなかった。僕はよくバリスタの方にお店のオススメを聞き、それを注文する。 今回もオススメを注文した。

今回僕が注文したのはCosta Rica Tarrazu La Ortega。 特徴的なのは、バリスタの方からも事前にご説明があったシナモンの香り。スッキリとした程よい酸味がとてもクセになる1品。 最近の悩みや、オススメのスポット、好きな曲やアーティストなど、僕たちはその時間たわいもない話で盛り上がった。 同時に、先日の寿司屋の大将の言葉を思い出す。そしてその会話というものの重要性を再認識し、自然と笑みが溢れた。 そして友人の顔を見た時、彼もまた笑顔だった。

コーヒーをいただく直前、ほんの数秒だけ、一筋の光がマグカップに差し込んでいた。 カメラをとっさに構え一瞬を捉える。 しかし、2枚目を撮ろうと思いカメラを構えた時、そこには先ほどの光はなかった。 と同時に、人生の転機も一生に一度のチャンスというものも、この光のように一瞬で現れ一瞬で消えるものなのかなと感じた。

@Social Good Roasters

GLITCH COFFEE&ROASTERSさんを後にし、次の目的地はSocial Good Roastersさん。 福祉施設から生まれたブランドで、”人のためのコーヒー”という考えと、コーヒーを提供するまでの過程にこだわりをお持ちであることを知り、とても興味関心が湧き、今回必ず行こうと思っていた1店。 店内は撮影できなかったものの、お店の方と福祉とコーヒーの繋がりや、お店のこだわりを短い時間でお聞きすることができ、コーヒーの可能性の大きさを改めて実感した。

後日、家でCONCEPT BOOKLETを拝見した。そこにはお店のコンセプトやコーヒーに対する思い、ブレンドの種類などがとてもわかりやすく記載されており、より一層Social Good Roastersさんを深く知り、その魅力に惹かれた。 コーヒーを好きになるきっかけは日常に転がっている。 コーヒーを特集する雑誌やファッションから、コーヒーを知る。 また、音楽や映画を通して、コーヒーに興味を持ち好きになる。 昔の僕は、コーヒーが嫌いでほとんど飲めなかった。 受験勉強の時の眠気覚ましでしか、コーヒーは飲まなかった。 今後も一生、この飲み物とは無縁に生きていくんだろうなと思っていた。 しかし、僕のコーヒー嫌いは大学1年生の夏休みの京都旅行で打ち砕かれた。 スペシャルティコーヒーとの出会い、素敵なバリスタとの出会いで、僕のコーヒー嫌いは一瞬で好きへと変化した。

ベンチに座り、コーヒーを片手に僕たちは語り合った。そんな時に限って、時間の経過は早く感じる。時刻は17時30分。 ここ2週間ほどで気温がグッと冷えた。ホットコーヒー・ホットラテがより一層美味しい季節の到来だ。コーヒーを飲み干した後、僕たちは解散した。

その後、神保町の代名詞である古書街へ。そこは昭和の匂いが漂っていた。 そこで、古本独特の匂いに何故か安堵感を覚えた。昭和にタイムスリップしたかのような気分になり、昔のファッション雑誌や写真集を読み堪能した。 その後、あたりを歩き夜の神保町を撮影した。

夜の神保町の街は、とても怪しげな空気を帯びていた。 僕はその土地に匂いというものを感じる。昼には感じなかった、この街のもう1つの顔。 新宿にいた時も、同じ匂いや空気を感じた。人の欲望や、強い意志を肌で感じる街だなと今回の訪問を通して感じた。 東京に来て早くも2年が経つが、僕はまだ東京という場所のほんの一部分しか見ていない。 しかしここには、人も動物も情報も空気も、他の場所とは違うものを感じるのは、果たして僕だけだろうか? 東京は人が冷たいというイメージがあると、以前、田舎の友人が言っていた。 僕はそうは思わない。とても暖かい人が多いし、情報の流れは速いが、その流れにうまく順応すれば、素敵な出会いや未知なる発見に出会うこともできる場所だと思っている。 コーヒーを通して、KOHII Walkersを通して様々な人や街に出会っていきたい。 まだまだコーヒーの旅は始まったばかりだ。

<今日のKOHIIコース>

@Social Good Roasters 東京都千代田区神田錦町1丁目14-13

<About Shimakou>

KOHIIでフォトグラファーをしているShimakouが現在、全国のカフェ・コーヒースタンドの情報はもちろん、独自の目線で東京の1面を切りとった写真をInstagramで配信しています。KOHII Walkersでは東京を中心に様々なアーティストを交え、コーヒーと街のストーリーを写真の魅力とともにお届けします。 A cup of KOHII with Love (執筆・編集:Shimakou)

コメント

rika
rika 今回は深いですね! 「先程の光がなかった」すごく共感しました笑 シェフ👨🏼‍🍳に出会い、時間を満喫することを最優先するようにした経験もあります。 ただただ時間を過ごしている自分たちと、その場をちゃんと見守るもう1人の自分、両方とも動き出し、何となく写真を撮りたい時もありますよね📸