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Vol. 17 コーヒーを片手に彷徨う日々

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Vol. 17 コーヒーを片手に彷徨う日々

ちょっとコーヒー巡りをしませんか?行き交う人々、流れていく時間を感じながら飲むコーヒーが絶妙に美味しいと思う私たちは、いつもコーヒーで繋がる街を歩くKOHII Walkersです。気の向くまま、コーヒーのアロマに溢れる街、それぞれコーヒーを楽しむ人々との出会いを独自の目線で写真ストーリーに記録し、ここでシェアします。 こうして同じ写真でコーヒー、ヒト、マチの関連性を描く人と繋がりたい、日本各地のKOHII仲間と一緒にコーヒーの魅力を広げていきたいです。 Jongmin, KOHII Walker@Tokyo

誰もが頭の中に1冊の分厚い回想録を持っている。 いつのことなのか、ページ数は覚えていないけれど、古くからの友人とビールを片手に言葉を交わした記憶を回想する。 “東京を題材にした曲って多いよね。” 確かに。そして音楽に限った話でもない。小説、写真、映画に至るまで東京が題材となる作品は数多く存在する。

そのような作品に触れると、東京は想像以上に躍動的であると同時に、どこか哀れな都市だと感じる。この街での暮らしは決して簡単ではない。一人ひとりの異なる悩みは結局、「私たちはどう生きるか。」という問いでまとまる。 同質性と異質性の狭間で生きている東京の人々。他人に無関心であるとよく言われる、その一方で実は同じ問いに悩まされている仲間である。そして、彼らの文化には互いに寄り添い合う優しさがある気がする。 夕方の5時。東京の空を眺めながら、僕は頭の中の回想録に新たな1ページを書き加えた。

大分から上京した田舎者の私は、この街のコーヒー愛好家たちがどのようなコーヒーを飲むのか気になる。歴史の長い喫茶店からサードウェーブ系のコーヒーショップまで、様々なスタイルが共存しているコーヒーカルチャーは、まさに異質な人々の集合体であるこの街を表している。夕暮れの時間帯、片耳しか聞こえないイヤホンでジャズを聴きながら、コーヒーを片手にこの街を彷徨う私はKOHII Walkerだ。

@COFFEE VALLEY

最初に向かったのは東京の中心地の池袋駅の東口から徒歩3分の場所にあるCOFFEE VALLEYさん。シンプルなモノトーンの外観とは違い、店内は木製のインテリアとオレンジの照明が心地よく、コーヒーの香りに満ちている。

頼んだのはCOFFEE VALLEYさんのオリジナルメニューである「3PEAKS」。 同じ豆を使用し、エスプレッソ、エスプレッソマキアート、ドリップコーヒーを飲み比べできるセット。スペシャルティコーヒーを様々な角度から楽しめる。コーヒーが3杯もあると、どれを先に飲むべきか悩まされる。個人的にはマキアート、エスプレッソを交互に飲みながら、コーヒーの旨味と牛乳の甘みを先に味わい、ゆっくりとドリップコーヒーを楽しむのも良いかなと思う。どのコーヒーを先に飲むか悩まされるなんて、バリスタにとっては幸せな悩みだ。

COFFEE VALLEYさんを出て、知人との待ち合わせ場所へ向かう。大学卒業後、一足先に社会人になった先輩。1年ぶりの再会。あの頃、のんびりとくつろぐことが好きだった先輩と常に何かに追われて焦っていた私。私たちは白と黒のモノクロ写真のように対照的だった。 自分は歩くのが早い方だと思っていたけれど、この街の交差点を渡る時には、歩くリズムが崩れて流れを乱しそうになる。先輩は大丈夫かな。そのまま流されてほしくない、あの頃のままでいてほしいと再会に対する期待と不安を胸に、交差点を渡る。

@FARM TO PARK RACINES

待ち合わせ場所はカフエ&レストランのFarm to park Racinesさん。IKEBUKURO LIVING LOOP/#まちなかリビングのある日常のプロジェクトでオープンしたカフェ。店内で食事とお酒をゆっくりと楽しめるだけではなく、シングルオリジンコーヒーをテイクアウトすることもできる。

コロンビアのドリップコーヒーを頼み、公園を散歩する。待ち合わせ場所に早くついてしまった。私は焦りやすいので、5分前集合と言われると20分前には到着してしまう性格だ。人にはよく時間が勿体ないと言われるけれど、早く着いて誰かを待つ時間が、結果的には暮らしにおける余白になっている。

IKEBUKURO LIVING LOOPさんは、訪れた人たちがまるで自分の家のリビングのように居心地良くくつろげるような、新しい日常の風景をプロデュースしている。芝生広場の上で、友人もしくは恋人と他愛のない話をする人々を眺める仕事帰り、居酒屋に寄り道してビール一杯を飲んでいく日もいいけど、たまには夜に飲む一杯のコーヒーも良いなと独り言を言う。

公園の近くにはBlue Bottle Coffeeもある。かなり遅い時間にも関わらず店内にはちらほらお客様がいた。東京の人々の暮らしを覗くと、そこにはコーヒーがある。メトロポリスの人々、メトロポリタン。生活の休符となるコーヒーは彼らにとって必要不可欠だ。結果的にコーヒーカルチャーがあるかないかは、大都市であるか否かという図式を成立させる気がした。いつか外信が「カフェインで眠れない街、東京」と報道するまでコーヒーカルチャーが盛り上がってほしい。

LINEの通知に気づき時間を確認すると、待ち合わせの時間はとっくに過ぎていた。急いで約束の場所へ向かう。

<About Jongmin>

韓国出身、大分住在。コーヒーを片手に彷徨う人。時々、コーヒースタンドのPOP UPイベントをしながら、2021年からKOHIIにて記事の執筆に関わる。物書き、写真が好き。コーヒーを通して、愛とか孤独といった目には見えない類の感情を大切にしたい。

<今日のKOHIIコース>

@COFFEE VALLEY 東京都豊島区南池袋2丁目26−3

@FARM TO PARK RACINES 東京都豊島区南池袋2-21-1 豊島区南池袋公園内

A cup of KOHII with Love (執筆・編集:Jongmin)

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