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作品が産む「繋がり」に照らされて

Meets

作品が産む「繋がり」に照らされて

バリスタなど、コーヒー業界の方々や様々なジャンルで活躍されているクリエイターは、普段どのようなコーヒーライフを楽しんでいるのでしょうか。 Meetsでは、業界をリードする人たちやチャレンジし続ける人たちとコーヒーを飲みながら深掘りしていく企画です。

本日のゲスト

高橋怜奈 珈琲11月の雨 オーナー・バリスタ / 大学非常勤講師 / デザイナー 今回は神奈川県秦野市にある「珈琲11月の雨」のオーナー高橋怜奈さんにお話を伺いました。平日は建築デザイナーの仕事や講師として大学で講義を行い、休みの土日を使って自身のお店でコーヒーを淹れる高橋さん。 バリスタ、講師、デザイナーの三束のわらじを履き、好きなことを仕事にしている彼女の現代らしい「生き方」や「働き方」は多くの人の参考になるはず。夢を自分の手で形にし続ける高橋さんとは、一体どんな方なのでしょうか。

居心地が良い理由を詰め込んだ

ーー早速ですが、コーヒーはいつからお好きでしたか? 高橋さん:小さい頃、母と一緒によくコーヒーを飲みにいってました。ブラックコーヒーが好きになったのは14歳頃だったと思います。それまではオレ・グラッセが好きで、母が飲んでいたブラックコーヒーを少し飲ませてもらった時「美味しい!」と感じて、それからブラックコーヒーを飲むようになりました。 ーー高橋さんは建築デザイナーでもあるとお聞きしました。建築にはいつ頃興味を持たれたのですか? 高橋さん:カフェごとにある空間の違いがおもしろいと思ったからです。将来自分でカフェを作りたいと思っていたので、自分で作るために建築の道に進もうと思いました。 日常から少しだけ離れて、非日常を感じられる、そんな居心地が良くて落ち着く空間をいつか自分で作りたいと思っていました。 学生の頃、カフェに行ってはテーブルやイスの寸法を測り、何故この空間は居心地が良いのかを調べたりしていました(笑)当時集めた私なりの「居心地の良い理由」をこの珈琲11月の雨に詰め込んでいます。

私のお店が私の作品

ーーお店を作るのは大変でしたか? 高橋さん:実は市の空き店舗事業という制度を使ってお店をつくりました。当時は25歳だったので、極力リスクを下げたいと思っていました。ですが、25歳で失敗してもまだ取り返しがつくと思っていましたし、誰か助けてくれるはずだと思って、半ば勢いもありました。 年齢も若く、実績もなかったので審査時は賛否両論の声が上がり、どうなるかと思いましたが、結果的に応援してくださることになってご支援いただきました。 ーー子供の頃からの夢であった「自分の店を作りたい」という強い気持ちはどこからきていたと思いますか? 高橋さん:お店が私の「作品」になると思っていたので、どうしても自分の手で作ってみたいという気持ちが強かったです。なので、私はお店を作る過程を人一倍楽しんでいると思います。 でも、最初は間借りでカフェを数回行い、ファンを作ってからお店を開業しました。 そこから有り難いことに口コミで広まっていって、最近は遠方から足を運んでくださる方も増えてきました。最初に比べてデザインや建築関係のお仕事をされている方も来ていただけるようになりました。嬉しい反面、少し恥ずかしかったりもしますが(笑)

高橋さん:色んな人と繋がりが生まれたりするのもこうやって「場所」を持っているからこその強みだと思っています。 講師として教える立場になった今、デザインという正解がないことを教えるには自分の引き出しを増やす必要があるなと改めて強く感じたので、より一層勉強しようと思いました。 ーーなぜ秦野にお店を構えようと思われたのですか? 高橋さん:秦野は私の故郷でもあります。この街の穏やかでゆったりとしている雰囲気が好きなんです。自分のペースでお店をやりたいという気持ちもあったので、秦野がぴったりだと思いました。 秦野は「名水百選」にも選ばれているので、美味しいコーヒーに美味しいお水は欠かせないと思い、秦野に決めたのもあります。 ーーお店のコーヒーはネルドリップで淹れられているのですね。

高橋さん:大学生の頃働いていたコーヒー屋さんがネルドリップでコーヒーを淹れていました。ネルはコーヒーの抽出速度が遅くなると交換する必要があります。また交換した後も すぐに使える訳ではないので、管理や保管が大変ですが、その手間が愛おしくて。それにネルドリップは、淹れる人の人柄が色濃く味に反映される気がしていて、それが魅力だと思ったりしています。 ーー高橋さんがこれから挑戦していきたいことはありますか? 高橋さん:お店としては変わらず「心地よい空間」を追求して形にしたいと思っています。あと、現実的ではないのですが「5年毎にお店を作りたい」と思っています(笑) 私は25歳でお店をはじめたので、5年後の30歳になった時、私はどんなお店を作るのか?という興味がすごくあります。5年も経てば味覚的にも、技術的にもレベルアップしていると思うのでまたゼロから何かを生み出す挑戦をしたいですね。

最後に

今回は「珈琲11月の雨」のオーナー高橋怜奈さんにお話を伺いました。内装やデザインにこだわりがある店主は多いですが、素材や工事の背景まで語れる店主はそう多くはありません。自分が表現したい世界を自分で作れる強みを改めて感じました。 自分で生み出した空間だからこそ「珈琲11月の雨」と高橋さんは同じ空気感を持っていて、それが最大の強みであり、あの空気感に惚れてしまう人が多いのだと納得しました。 地域や人を巻き込みながら、繋がりを生み出している素敵な空間が神奈川県の秦野市にあります。是非一度「珈琲11月の雨」に足を運んで体感してみてください!

お客様から頂いたという花瓶とお花
7年以上愛用しているというユキワのコーヒーポットは自身で先端を削りカスタマイズしている

<高橋怜奈>

大学〜大学院まで建築を学びながら、数年間オールドビーンズの珈琲専門店で、バリスタやサービスについて学ぶ。 大学院修了後、内装デザイン会社に就職。現在設計デザイン業務、大学非常勤講師、「珈琲11月の雨」を運営。

<珈琲11月の雨>

2020年秋にオープンした神奈川県秦野市にある土日限定営業のネルドリップの珈琲店。 お店はオーナー自らが設計、施工。営業時も一人でお店に立ち、エイジングコーヒーとスペシャルティコーヒーを提供している。 A cup of KOHII with Love (執筆 & 撮影:Seiya)

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