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Vol.31 古今東西、紡がれる珈琲と京都

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Vol.31 古今東西、紡がれる珈琲と京都

僕たちはいつもコーヒーで繋がる街を歩くKOHII Walkers。気の向くままコーヒーのアロマに溢れる街で、コーヒーを楽しむ人々との出会いを独自の目線で切り取り、ここにシェアします。 僕たちはコーヒー、ヒト、マチの関連性を描く人たちと繋がりたいです。日本各地のKOHII仲間と一緒にコーヒーの魅力を広げていきます。 Jongmin, KOHII Walkers@Kyoto

日本に来て気がつけば6年という時間が経ていた。初めてお会いする方には「日本語が上手ですね」と言われることもあるけど、この先も日本で暮らすなら、人並みに日本語ができるようになることはあたりまえだ。物書きをしていると、心の中で描く情景を上手く言葉にできず、勉強不足だと実感する瞬間が多々あるのだ。 しかし、感覚的な部分はまだまだよそ者感丸出しだ。例えば、風呂上がりのコーヒー牛乳とか真夏のラムネにいちいち気持ちが高鳴る。未だに日常の中に潜んでいる日本の文化は、私にとってとても新鮮で、刺激的だ。

だからか、「京都」という二文字は、胸を高鳴らせる言葉だ。京都に描くファンタジー。この街には何か日本的な要素がたくさん残っているような気がする。 京都でのコーヒー巡りを通して、前に留学生の友人が「東京はニューヨーク、京都はロンドンの雰囲気に似ているかもしれない」と例えたことを思い出した。古い伝統と新しい伝統が混ざり合った京都は、異邦人の私たちにとって何かを変える前に、そのモノを深く理解しなければならないという気づきを与えてくれる。

@Kurasu Nishijin Roastery

小雨が降る土曜日の朝、せっかく京都に来ているということで、KOHIIチームが街歩きに誘ってくれた。最初に訪れたのは、Kurasu Nishijin Roastery。月に一度のオープン日が今回の日程に運よく重なった。普段は店前にある自動販売機で新鮮なコーヒー豆を購入できるみたいだ。

朝早い時間に行ったにも関わらず、店内は賑わっていた。カウンター前でCup of Excellence に入賞したEthiopia NigussieとKurasuで焼いているアプリコットマフィンを頼んだ。コーヒーを待っているとGissenとLoringの大きな焙煎機が目に入る。中でも特にLoringの焙煎機は巨大という表現が正しいのかもしれない。焙煎機が大きいから良いという訳ではないだろうが、コーヒー好きのロマンを刺激する立派な容貌だ。

今日はAssistant RoasterのReikaさんがコーヒーを淹れていた。KurasuのYoutubeでいつも動画越しながら見ているので、本物に会うと少し芸能人に出会った気分になる。「Youtubeの動画、いつも見ています!」と話しかけてみようと思ったけど、変なプレッシャーを与えるかと思い彼女が丁寧にコーヒーを淹れている姿を、ただ眺めた。

Ethiopia Nigussieはアプリコットのような優しい甘さがあり、小雨が降る土曜日の朝に似合うコーヒーだった。アプリコットマフィンと合せて食べると、口にずっと含んでいたいほどに優しい果実味を感じる。 旅行中は普段よりちょっとだけ贅沢をしたくなる。ちょっと贅沢なエチオピア、普段なら頼まないだろうちょっとしたマフィンが私にとってはちょっとした贅沢の範囲だ。コーヒーラヴァーからすれば、贅沢すぎるのかもしれない。いい土曜日の朝だ。

@Laughter

KOHIIチームのおすすめで、次に向かったのは、同じ西陣エリアにあるLaughter。クラフト感溢れる店内が印象的だ。地域の方がコーヒーを飲みに気楽に出入りして、バリスタさんとちょっとした会話を交わす様子に心で微笑んだ。

タイの浅煎りを頼み席に座った。話をきくと、チャリーという名前の生産者がタイ北部の山岳民族アカ族とつくったコーヒーを創業から変わらずダイレクトトレードをしているみたいだ。グリーンアップルのような爽やかさがあり、とても美味しいコーヒーだった。最近、アジア地域の美味しいコーヒーに出会う機会が多く、毎回驚かされる。生産者の栽培や精製へのこだわりで、コーヒーの品質が劇的に変わることをアジアの美味しいコーヒーを通して体感することが多い。

コーヒーを飲み終えて、ランニング中だったKOHIIのYuseiさんに遭遇した。ふとした出会いがあり、京都は人が見え、良い意味で狭い街だと感じる。ついでにもう一件、Yuseiさんのおすすめのコーヒーショップに連れて行ってもらった。

@資™ 珈琲

Laughterから20分ほど歩いて到着したした資™ 珈琲(Tasuku Coffee)。オーストラリアメルボルンスタイルのふらっと立ち寄れるコーヒースタンドだ。コーヒーを淹れる様子を作り手側から見れる店内の配置が独特で、お店づくりに込めた店主さんの思想が伝わる。 メニューはエスプレッソをベースにしたBlackかWhite。そしてHotかIceかのみ。シンプルだから、クールで格好良い。

いちいち会計せず、500円を投げ銭するシステムが面白かった。私は旅行中の旅人ということなので、Yuseiさんに甘えて、コーヒーをご馳走してもらった。人がご馳走してくれるコーヒーは、普段と同じコーヒーでもさらに美味しく感じる。

珈琲と京都に纏わる音楽で高田渡の「コーヒーブルース」という曲がある。歌詞はざっくりいうと、三条堺町にある喫茶店イノダコーヒーで女の子と待ち合わせコーヒーを飲むという内容だ。曲の内容とは違い、今回は喫茶店的ではないコーヒーショップを中心にコーヒー巡りをした。しかし、どのお店も、京都のコーヒーカルチャーの中心になっていることは間違いないことだった。 一日の街歩きを通して、京都的なものは、ある意味、古今東西、伝統と革新が混ざり合って共存している姿なのではないかとよそ者ながら考える。

<今日のKOHIIコース>

@Kurasu Nishijin Roastery

@Laughter 〒602-8498 京都府京都市上京区西熊町289

@資™ 珈琲

A cup of KOHII with Love (執筆:Jongmin)

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