KOHII
美しい今日に、遠い日への祈りを込めて

Meets

美しい今日に、遠い日への祈りを込めて

バリスタなどコーヒー業界の方々やさまざまなジャンルで活躍されているクリエイターの方々は、 普段どのようにコーヒーライフを楽しんでいるのでしょうか。Meetsは、業界をリードする人たち やチャレンジし続ける人たちとコーヒーを飲みながら深掘りしていく企画です。

本日のゲスト

平末健人さん フィルム写真家 / キノシタショウテン・バリスタ 今回のゲストはフィルム写真家の平末健人さん。食に携わることを命と命の架け橋になる仕事と考え、普段は岡山のキノシタショウテンにてバリスタをしています。プライベートではフィルム写真家として活動中です。"遠い日の祈りが、淡い輪郭を帯びてゆく"という言葉をコンセプトに、再び巡り合いたいと願うほど美しい風景を切り取りたいと語る平末さん。 平末さんとの出会いをきっかけに私は"写真"をはじめました。とても優しい世界観の持ち主なので、今回の記事を通してぜひキノシタショウテンや平末さんの制作活動に興味を持って頂けると嬉しいです。 By KOHII Creator @Jongmin K:KOHII、 H:平末さん

写真がつないでくれたモノ

K:普段どのような活動をされているのか、教えていただけますか? H:私は岡山県瀬戸内市のコーヒー豆の販売店兼喫茶店であるキノシタショウテンと山の上のロースタリのバリスタです。プライベートでは、フィルムのみで写真を撮影するフィルム写真家をしています。写真を通して色んな地域の魅力を伝えたいという想いで写真を撮っています。

K:平末さんと写真の出会いを教えてください。 H:写真を始めたのは中学生の時ですね。ふと「今を残したいな」と思ったんです。 親が転勤族だったので、転校が多く、あまり学校に馴染めないことが多かったです。当時は自分から友達を作ろうと思う社交性のある性格でもなかったので、気がつけば人見知りになっていました。 でも中学3年生の時に、数年後大人になってからでも、今の自分を振り返ることができるように、そして懐かしさで浸り笑えるようになりたいと思ったんです。決して多くはないけど、私と関わってくれる友達との縁を大事にしたいなと思いました。それが、写真を始めたきっかけですね。中学、高校全部気がつけばクラス全体の写真撮影係みたいになっていて、写真が私とみんなをつないでくれたといっても過言ではないです。

K:本格的に写真の仕事・制作活動を始められたのはいつからですか? H:僕、大分県の別府という珍しい場所で学生時代を過ごしました。山も海も、もちろん温泉も生活のすぐそばにあって、とても自然が豊かな場所なんです。別府って歴史の深い温泉地ということもあり、地元の人と外から来た人が混じり合って生まれた独特な雰囲気の漂う面白い街なんです。 大学生になって撮影をお願いされることがだんだんと増えて、撮り続けるうちにイベント写真やウェブ用の写真撮影を依頼されるようになりました。

気がつけば、周囲に写真好きな仲間が増え、別府での暮らしをテーマにした「Beppu Life 写真展」を3回にかけて合同開催しました。大学最後の年には別府での学生生活をテーマにしたWebドラマを制作したりもしましたね。この頃は「よい写真とはなんだろうか?」という問いに悩まされながらも、写真を通して、人と場所、人と人がつながることの魅力を実感しました。 K:平末さんが写真と関わる中で得た気づきがあれば、教えてください。

H:大学生活を終えて、キノシタショウテンで仕事を始めるまでしばらくの間は、自分の原点を見直す時間を過ごしました。ご縁があり、アーカイブ展をする機会もあったりとする中で、写真が自分とヒト、モノをつないでくれていることに気がつきました。

写真を撮り続けて気づいたことですが、つなぐ媒体は、必ずしも写真である必要はないというか、自分が大事にしたいことは、写真を通してつながるすべて、それらがつながる今、この瞬間であるということです。だから私は「今を残したい」という想いで、写真を撮っています。

フィルムに残すことで、未来につなぐ

K:フィルムで制作を始めたきっかけを教えてください。 H:写真の世界に浸っていたある日、祖父からフィルムカメラを貰いました。実は私の祖父は昔カメラマンをしていたんです。デジタルカメラと違って、連写はできない。でも利便性では語れないフィルムカメラの不思議な魅力に惹かれて、フィルムカメラで写真を撮るようになりました。

K:平末さんがフィルムにこだわる理由はなんですか? H:まず大前提にフィルム写真は、今の社会のスピードと合わないんです。現像した写真がいつ納品されるかさえわからない写真にクライアントは仕事の依頼を「できない」というか「しない」のが現代の普通です。その上、フィルム写真家の役目は景色をただ「撮る」だけであって、シャッターを切った写真を編集することはできません。写真家が捉えたいと思った瞬間が100%そのまま捉えられているかさえ未知数です。しかし、これだけ曖昧なフィルム写真に見出せる価値が、私がフィルムを通して伝えたいメッセ―ジでもあるんです。

K:フィルム写真を通して伝えたいことはなんですか? H:写真が大量生産されて、大量に捨てられるのは嫌ですね。データは消しても別に環境に害はないですが、喜怒哀楽すべてを含め、かけがえのない瞬間を記録しているはずの写真を戸惑わずに簡単に消せる世界は恐ろしいです。

K:平末さんが切り取りたい瞬間はなんですか? H:私にとって写真を撮ることは、祈りに近い感覚です。その祈りに込めるのは、不確かな一瞬の美しさにもう一度巡り合いたいという想いです。例えば、「最後にもう一度見たい」という絶景を望むとしても、再び同じ景色に出会えることはないと思うんです。その時の自分の気持ち一つでも見える景色は変わります。だから「もう一度、この景色に巡り合いたい」という願いを込めるんです。

平末健人

キノシタショウテン

A cup of KOHII with Love (執筆・編集:Jongmin)

コメント

まだコメントがありません。

アプリからコメントしてみてくださいね!

関連するコンテンツ