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コロンビアがコーヒー大国になった理由を歴史から探る。きっかけは世界大恐慌にあり

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コロンビアがコーヒー大国になった理由を歴史から探る。きっかけは世界大恐慌にあり

コーヒー豆の多くが収穫されるコーヒーベルト(赤道付近や南北回帰線の間のコーヒーノキを栽培する地域)に位置し、アラビカ種の有数の産地として知られるコロンビア。ブラジル、ベトナムに次いで世界第3位のコーヒー豆の生産量を誇り、2019年末にはFederación Nacional de Cafeteros (FNC:コロンビアコーヒー生産者連合会)がコロンビアは世界一のマイルドウォッシュドのアラビカ種の生産地だと報告しています。 とはいえ、コロンビアがアラビカ種の生産を始めたのは18世紀と比較的最近です。そのきっかけはドイツイエズス会の宣教師が生産方法を広め、彼らが苗を山地に植えたことにあります。その後国の至るところでコーヒー農家が栽培を始めましたが、18世紀のコロンビアではコーヒー生産を輸出産業にすることはありませんでした。 では、コロンビアはどのようにしてコーヒー大国として世界に知られるようになったのでしょうか?そこには、コロンビアの優れた自然環境に加え、技術への努力や国を挙げたキャンペーンの存在がありました。彼らの道のりを、アレハンドロ・カデナ(Canavela Coffeeの共同創設者兼CEO)とロベルト・ベルズ(FNCのCEO)の見解をもとに深掘りしていきます。 アラビカ種はロブスタ種よりも熱帯高地での栽培に適していて栽培できる地域が限られていて、なおかつ虫や病気にも弱い繊細な品種です。「環境や緯度、気候といった点でコロンビアはアラビカ種の生産に優れている。そして微気候(地面から1.5mほどの気候)での幅広い栽培にも適している」とアレハンドロ氏は述べます。 コロンビアがアラビカ種の生産に優れているのはもともとの生育環境だけではありません。土壌管理や剪定といった農耕技術に力を入れているためでもあり、改良によって高品質のコーヒー豆を生産できるようになりました。そのほかに注目すべき点として、「コロンビアでは国家自体がコーヒー生産に投資している」とロベルト氏は述べています。 そのきっかけとしては20世紀前半に遡ります。当時は「アシエンダ」のような先住民族や奴隷が農民として働くコーヒー農家が各地に誕生しました。そのような中1927年にエメ・カフェテロ地域のコーヒー農家がFNCの先駆けとなるグループを結成します。彼らの目的はコロンビアコーヒーを世界に広めていくこと、そして公正な価格で販売することでした。 しかし、当時は世界大恐慌で物価が暴落する時期で、コーヒー豆の価格は急落。コーヒー農家は倒産に追い込まれます。そのような状況を打破するためにもFNCは「コロンビアといえばコーヒー」というイメージを海外に示していくことに。 以後、コロンビアでは口髭をたくわえて帽子を被った男性「フアン・バルデス」のようなイメージキャラクターを強く打ち出すことでコロンビアのコーヒーを世界中に広めていきました。「100% Colombian coffee」というステッカーが貼られたコーヒーのステッカーはコーヒー愛好家であれば誰もが一度は見たことがあるはずです。 フアン・バルデスのブランドの認知をFNCは利用し、2002年にはカフェチェーンを立ち上げました。約18年後の現在、このチェーンは世界中で320店舗以上を展開しています。 大不況の時代を乗り越えるべくコーヒー農家が立ち上がったことによって高品質でお手頃、かつ安定したコーヒーで知られるようになったコロンビアの取り組みから、ビジネスに活かせるヒントを得られそうです。

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