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Vol. 21 冬の光に導かれて

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Vol. 21 冬の光に導かれて

ちょっとコーヒー巡りをしませんか?行き交う人々、流れていく時間を見て感じながら、飲むコーヒーが絶妙に美味しいと思う私たちは、いつもコーヒーで繋がる街を歩くKOHII Walkersです。気の向くまま、コーヒーのアロマに溢れる街、それぞれコーヒーを楽しむ人々との出会いを独自の目線で写真ストーリーに記録し、ここでシェアします。 こうして同じ写真でコーヒー、ヒト、マチの関連性を描く人と繋がりたい、日本各地のKOHII仲間と一緒にコーヒーの魅力を広げていきたいです。 Shimakou, KOHII Walkers@Tokyo

1月のとある金曜日の朝、身体が汗だくになっているのを感じ目を覚ます。スマホの画面に映る時刻は6時ちょうど。昨日の夜からつけていた暖房がとても暑く、温度を見てみると、28℃になっていた。 東京は連日晴れの日が続いていた。 「今日は良い天気かな。」 カーテンを開けるとそこには、オレンジ色と青色が混ざった幻想的な光景が広がっていた。急いでカメラを取りにリビングに戻る。 僕は、冬の早朝が大好きだ。特に窓を開けた時に入ってくる冷たい風が肌に触れる瞬間が、たまらなく好きだ。 小鳥のさえずりや揺れる木々の音を聞きながら深呼吸をする。 そうすると全身に力が宿り、身体がだんだん起きていくのを感じることができる。 こんな美しい夜明けの空は今まで見たことがなかった。 インターネットで検索してみると、どうやら「ブルーモーメント」というらしく、雲がほとんどもしくは全くない空気の澄んだ日にだけ現れる非常に珍しい現象。 珍しいものを見ることができたので、いい一日になりそうだ。 今日はどんなコーヒーに、人に出会えるだろう。 そう思いながら、Iyula タンザニア を淹れ、朝の一杯を飲んだ。

@PADDLERS COFFEE

昨年の7月頃、引越しの物件探しで幡ヶ谷を訪れたことがあった。 帰り際、美味しいコーヒーを飲みたいと探していた時に、偶然、PADDLERS COFFEEを見つけた。 気になり目的地まで足を運んだものの、その日は定休日だったようでお店が開いていなかった。 あれから半年ほどがたち、ようやくお店に行くことができると思うと、前日の夜からワクワクが止まらなかった。 ハンカチ、マスク、消毒液とシートを持参し感染対策はバッチリ。 カメラを持って家を出る。

電車に揺られ、約30分ほどで幡ヶ谷駅に到着。 南口から出てさらに南へ歩いていくと、西原商店街という商店街を見つけた。 商店街の中には、飲食店はもちろん、八百屋や魚屋、動物病院までなんでも揃っており、下町風情の溢れる商店街だった。 その西原商店街から一本路地に入ると、そこには住宅が立ち並んでいる。 そんな閑静な住宅街の中に、PADDLERS COFFEEはあった。 お店の外には大きな桜の木があり、その下に沢山の自転車が停まっていて、どこか下町感がある佇まいだった。 木とコンクリートをベースとした外国の空気感が漂う店内が、とても素敵だった。 早速、本日のコーヒーを注文し、カウンター席でコーヒーを待つ。 店内には、友達とコーヒーブレイクをする人や、パソコンで作業をしている人、読書をしている人などがそれぞれの時間を過ごしていた。 そんな光景をぼんやりと眺めていた時、お店の中のあるものに目が止まる。

オーディオディスプレイとオブジェだった。 オーナーさんの趣味なのだろう、どこで購入したオブジェなのかがとても気になった。 また、壁に掛けてあるIBMの時計は、僕自身も自宅に掛け時計が欲しいと思いリサーチしていた際、候補の1つとして考えていた時計だった。 また、アメリカ西海岸の街、ポートランドを代表するコーヒーロースター「 STUMPTOWN COFFEE ROASTERS」の豆を取り扱う日本唯一の正規取扱店ということを知った。 そう、僕が足を運んだのはアメリカンカルチャーが浸透した素敵なコーヒーショップだった。

オブジェに見とれていた矢先、コーヒーがテーブルの上に運ばれてきた。 マグカップのデザインもまた可愛い。 本日のコーヒーはインドネシアのコーヒーだった。甘い香りとフレンチプレス特有のざらっとした舌触りが絶妙にマッチしていて、とても美味しかった。 その日、東京はとても風が強い1日で、僕は外の揺れる木々を眺めながらコーヒーを飲んでいた。

時刻を確認すると、15時15分。 ついつい長居をしてしまった。 急いでコーヒーを飲み、お店を出て、次へ向かう。

@FUGLEN TOKYO

次の目的地は、渋谷区・富ヶ谷にあるFUGLEN TOKYO。 PADDLERS COFFEEのお店の外で、お店までの距離を調べたところ、歩いて24分と出てきた。 気温が少し下がってきていたこともあり、歩いて体を温めるにはちょうど良い距離感だった。西原商店街を抜け、富ヶ谷を目指す。

目的地に向かいながら、ふと足を止め撮影した写真を見返す。 そう、僕は歩きながら無意識に、光が入った写真ばかり撮影していた。 お店の窓に映るワインボトルに差し込む光や、工事現場の作業員に差し込む光、また、建物に差し込む光とそこにできる影。 対象物は違えど、そこには必ず光があった。 そこで僕は冬という季節が持つ光の美しさというものを実感した。 確かに、四季の中で冬以外にも光が美しい季節はある。 しかし、12月末から今日にかけて晴れた日の光がこんなに美しいと思ったことは今までに一度もない。 思い返せば、僕がInstagramで投稿している写真も、夕焼けの風景の写真や早朝の散歩道など自然と多くなっている。 言葉では言い表せない自然の美というものを、この24分の冒険の中で再発見する。 そんなことを思いながら歩いているとお店に着いた。

店内はとても暖かくコーヒーの良い香りが漂っていた。 早速コーヒーを注文し扉近くの席に座り、出来上がるのを待った。

今回注文したのは、コルタードのダブル。 コルタードとは、スペイン語で「割る」と言う意味で、エスプレッソをホットミルクで割ることからその名前がついたようだ。 ミルクとエスプレッソの割合は1:1から1:2で選ぶことができ、今回は1:2で注文。 FUGLEN TOKYOでは、ミルクの量を自分自身で決めることができ、今回はグラスいっぱいになるまで入れていただいた。 味は、カフェラテに比べエスプレッソのコクや渋味がしっかりと感じることができ、深煎り好きの僕にはもってこいの1品だった。

時刻は16時15分。 夕焼けの光はまた優しい色を帯びていた。 その光が、コーヒーバックやインテリア、バリスタのドリップする手元を照らしている光景がまた幻想的でとても美しかった。 僕を含め、店内にいたお客さんはその光をただぼんやりと眺めていた。 その光は、5分も経たない内に消えた。

<About Shimakou>

KOHIIでフォトグラファーをしているShimakouが現在、全国のカフェ・コーヒースタンドの情報はもちろん、独自の目線で東京の1面を切りとった写真をInstagramで配信しています。KOHII Walkersでは東京を中心に様々なアーティストを交え、コーヒーと街のストーリーを写真の魅力とともにお届けします。

<今日のKOHIIコース>

@PADDLERS COFFEE 東京都渋谷区西原2丁目26−5

@FUGLEN TOKYO 東京都渋谷区富ケ谷1-16-11 1F

A cup of KOHII with Love (執筆・編集:Shimakou)

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