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焙煎機の違いについて(熱風・半熱風・直火)

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焙煎機の違いについて(熱風・半熱風・直火)

そもそも焙煎とは?

コーヒーショップに行くとよく聞く「焙煎」という言葉。英語で「ロースト」と呼ばれるこの工程は、コーヒーの原料である「生豆(きまめ)」に熱と圧力を加えることであり、元々薄緑色の生豆はこの過程を経て、皆さんがよく知っている茶褐色・黒褐色の豆へと変わっていくのです。 この焙煎によって生豆に化学変化(メイラード反応)が起き、コーヒー特有の香りや風味が生まれるのです。コーヒーショップではコーヒーを淹れる、抽出の過程はよく見ますが、なかなか焙煎しているところを見たことあることがある方は少ないかもしれませんね。

焙煎機の違い

ここから本題に入ります。上に書いた焙煎を行う機械(焙煎機)の中で、円筒形の釜(シリンダー)を横向きで回転させながら、中に豆を入れて焙煎する「シリンダータイプ」が最も基本的なものになります。このタイプの焙煎機は大きく、直火(ちょっか)式・熱風式・半熱風式の3種類に分類され、これらの違いは主に熱の入れ方です。そしてこの違いは、コーヒー豆の風味にも違いをもたらすのです。以下は、これらを簡単に比較した表です。 ※風味に関しては一例です。

技術と個性と焙煎機

このように焙煎機には明確な種類があり、それぞれ個性豊かな豆ができますが、同じ焙煎機でも扱う人によって全く異なる豆ができると言われます。

熱風式

熱風式はその性質から、熱量をコントロールしやすく豆を満遍なく効率的に加熱できるため、大規模な焙煎工場で使われることが多いですが、近年ではスペシャリティコーヒーの焙煎に使われたり、家庭向けの熱風式も出ているなど、より身近な焙煎方法になってきています。味がはっきりする短時間焙煎にも、逆にマイルドになる長時間焙煎にも対応でき、ここにもロースターの個性が反映されるのです。 あっさりなコーヒーを焙煎するイメージの熱風式ですが、深煎りのコーヒーやより立体感のある味わいのコーヒーに熱風式としてチャレンジしている焙煎所も増え、新しい技術が常にアップデートしています。今最も注目されているスタイルかもしれません。 代表的なメーカー:Loring(アメリカ)、Ikawa サンプルロースター(イギリス)

Akito Coffee (山梨) のLoring15kg

直火式

直火式は炎と豆の距離が近いため、火加減の調整が難しいとされる焙煎方法です。豆の薄皮(チャフ)が焦げるだけでなく、加減次第では表面にも焦げができてしまい、香りに様々な変化が出ます。また、熱風式と違って加熱が安定せずに豆の煎り加減にムラができたり、外気の影響も受けやすいなど、焙煎する人の技術がかなり表れる方法だと言えます。 逆に言えば、技術によって豆そのものが持つ個性(苦味・コク・香りなど)を十二分に引き出すことのできる方法なのです。深煎り文化の歴史が長い日本で独自に発達したと考えられる焙煎機で、代表的なメーカーも日本の会社が多くなっており、価格帯も比較的安価から小規模の直焙煎所で一番馴染みのある焙煎機です。 代表的なメーカー:富士ローヤル、ラッキーコーヒーマシン

明暮焙煎所(兵庫)の富士ローヤル3kg

半熱風式

半熱風式は、この2つのいいとこ取りといった焙煎方法と言われています。伝導熱が中心なので、熱は高いままで安定させることができ、熱風の量や鉄板の分厚さでその熱を自在に調整できます。この調整の柔軟さが焙煎の幅を大きく広げており、スペシャリティコーヒー、特に浅煎りの焙煎方法として、現在最もポピュラーで幅広く取り扱われているものとなっています。豊かで多様な味わいを出すことができ、また焙煎の大会や有名ロースターも使用していることから知見が出回っており、一から勉強しやすいのも特徴です。 代表的なメーカー:PROBAT(ドイツ)、DIEDRICH(アメリカ)、GIESEN (オランダ)

Leaves Coffee Roasters (東京)のビンテージProbat UG-15kg

このように、焙煎機1つでも違いがはっきり表れ、ロースターの技術や個性を出せる「舞台」なのです。コーヒーロースターは色々な要因を元に、求めているコーヒーの味わい、特性は勿論のこと、価格帯や大きさに合わせて焙煎機を選んでいます。 焙煎機をお店で見かけたら、「何故その焙煎機を選んだのですか?」という一言できっとお店の方のコーヒーに対しての想いに触れることができるはずです。

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